練習記録

2022年12月18日 野口遵記念館 開館記念「第九」祝祭演奏

祝典演奏本番

 創業100周年となる旭化成株式会社からの援助を受け出来上がった野口遵記念館。いよいよ開館の朝となりました。(駐車場の横断歩道がピアノの鍵盤になっています)


 式典の中で、この日にご来賓の延岡市の名誉市民で旭化成株式会社名誉フェローの吉野彰氏に、市長から野口遵記念館の名誉館長の委嘱状の交付が行われました。


 吉野彰名誉館長のご挨拶
 新しい記念館の建設の立案から設計、建設いろんな多くの方々がご尽力いただいたと思います。改めて御礼申し上げます。野口遵記念館名誉館長に就任にあたってひとこと、ご挨拶させていただきたいと思います。ひとことと申しましたが、二つ。
 一つ目、100年前に野口遵がやったことと、今これから我々がやらなければならないことの類似性ということです。二つ目、そういったことを実行していくにあたって今日、小中高の生徒さん達も来られていると聞いています。そういった生徒さんへの私からのメッセージです。
 野口遵の業績については、皆さんご存じと通りと思います。式典の冒頭でご紹介いただいたビデオにも描かれていました。私なりに一言で申し上げれば、彼はスタートに100年前に水力発電所を作り、電気が生み出されました。電気が手にはいると、水素ができます。それに空気中の窒素を反応させればアンモニアができましたね…と。それを使って天然のセルロースと組み合わせてベンベルグが出来上がりましたね…ということです。
 よくよく考えてみると、水力発電、これは今で言う再生可能エネルギーの典型的な一つです。これは今でも日本の電力の5%です。野口遵が100年前にやったことは、なんのことはない、今、我々が議論しているカーボンニュートラル社会の実現、あるいはサスティナブル社会の実現、これを世界に先駆けて100年前にやったんですよ。
 今、我々が問われているのはそこだと思います。気候変動、地球温暖化、そういったものを解決しなければならないのは、人類共通の課題です。残念ながら誰もまだその答えを見いだせていません。そういったことを踏まえて我々がやらないといけないことは、100年前に野口遵がやったことを現代版に作り変えて、それを実行せんといかんのですよ…と。そういったことを踏まえて、小中学校、高校の皆さんにお話しさせていただきたいと思います。
 日本の政府は地球温暖化、地球環境問題を解決するために世界に対して宣言しております。現在、日本では年間10億トンの炭酸ガスを排出しております。それを7年後の2030年、46%削減いたします…と。そして2050年には100%削減しますよ…と。これが日本が世界に投げかけた宣言です。間違いなく2050年にはこのカーボンニュートラル社会、サスティナブル社会というものが実現していると思います。
 おそらく生徒さん達が40代から50代にさしかかるあたりのことです。当然、そういった社会が実現するにあたって多くのイノベーションが世界じゅうで生まれている筈です。その中で、日本、あるいは日本人が「これとこれとこれは日本が貢献しましたね」というイノベーションも生まれているかと思います。そしてそういったイノベーションに対する10件20件のノーベル賞は準備されていると思います。そういった2050年に向けて今の若い方々が頑張っていただきたいと思います。
 そのためには皆さんが今、何をやらなきゃいかんのか…。2030年までに何をやらなきゃいかんのか…。2050年までに何を成し遂げなきゃいかんのか…。そういったことを一生懸命考えていただきたいと思います。…で、そのヒントは間違いなく野口遵記念館の中にあると思います。ギャラリーで野口遵の業績が描かれていると思います。それを何度もご覧いただいて、それの現代版、今、100年後の私たちに何をやらんといかんのか。これを皆さんが考えていただきたいと思います。
 先ほど申し上げた通り、100年後にはカーボンニュートラル社会の実現に対していくつかのノーベル賞が授与されている…と。多分、その中に日本人が何人か受賞されていると思います。で、その受賞者はどういうわけか宮崎県出身者の方が多いですね…と。しかも延岡の方が多いらしいよ…と。ぜひそんなことが囁かれるような2050年になっていただきたいなと思います。そういったことを実現するための情報やヒントは、この建物の中、野口遵記念館にありますよ…という言葉を結びの言葉として私のご挨拶とさせていただきます。




 式典の最後は、いよいよ我々の祝祭演奏となりました。


 指揮とソリストをつとめる柳田先生の堂々とした歌声は、この野口遵記念館のホールによく響いて、それに呼応した合唱団も最高の出来栄えとなりました。


 今年のトップページの画像はこの写真の上下とトリミングしたものにしました。


 開館記念「第九」祝祭演奏【動画】


 野口遵記念館開館式典 (公益財団法人のべおか文化事業団 提供)

 こうして、今年の我々の「第九」が終了しました。来年、12月16日にこの同じ野口遵記念館のステージを予約しています。はっきりした予定はこれから決まりますが、今年参加された団員、「第九」を歌ってみたいとお考えの方はスケジュールをあけておいてください。